ろふろっく

すきな音楽のはなしをします

UNISON SQUARE GARDEN Revival Tour "Spring Spring Spring" @東京ガーデンシアター 2021/5/19

UNISON SQUARE GARDENのツアーを見た。

このツアーは2012年に開催したライブ「Spring Spring Spring」を完全再現する、というものであり最近の曲は一切演奏されない。完全に物好きのためのライブである。

9年前のユニゾンを、今のユニゾンはどう見せてくれるのだろうか。

 

座席位置はアリーナFブロック。この東京ガーデンシアターはフルキャパ8000だというのにそこまでのスケール感をいい意味で感じさせない会場だなと感じる。ユニゾンはあまり大きな箱でライブをしないバンドだが、この会場で演奏するユニゾンはなんだかしっくりくる。昨年行われた(on the)SEATツアーでも訪れた会場でもあるため、このバンドにとってこの会場はツアー常連会場となっていくのかもしれない。

 

開演前、このライブのイベンターであるVINTAGE ROCKの方が開演前の挨拶をしていた。ワンマンライブでこういった主催者側の人がステージに立つのは珍しい。このコロナ禍でのライブということもあり不安なこともある中で主催者側からこのライブの注意事項の解説があるというのは信頼できる点である。(実際他のライブよりもユニゾンのライブは感染対策により力を入れているし)

 

開演し最初に演奏されたのはこのライブツアー限定曲である「~overture~ Spring Spring Spring」。こういったSEをメンバー登場時に流すバンドはいるが、自ら演奏をしセットリストの一曲として組み込むというのはとても珍しく、このライブの試行錯誤感が一曲目からすでに見て取れる。

斎藤宏介の「おまたせ!」から「フルカラープログラム」。やっぱこの曲はUNISON SQUARE GARDENを示す象徴であると思うし、一気にステージにもっていかれる。今でこそバンドの代表曲は多くあるが、元のライブが開催された当時、この曲は欠かさずセットリストに組み込む定番曲だったのだろうか。

「プロトラクト・カウントダウン」「23:25」と続いていく。「23:25」は近年のライブでは終盤に置かれがちだと思うのでこの序盤で披露されるこの曲は新鮮に感じた。

「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」ではサビの部分でリズムに合わせて首をかしげる田淵が見れてよかった。

ダークな雰囲気を纏った「マスターボリューム」へ。この頃のユニゾンはこういう尖ったロックが多いよなーと思う。

MCでは「9年前はガッキーがポッキーを持ち始めたころ...」とちょうどこの日結婚を発表した新垣結衣のことをネタにしていた。ユニゾンがライブのMCで時事ネタを話すことがあるのか....。

今日の斎藤宏介の衣装は左右で色分けされている赤黒のワイシャツ。単色のイメージがあったからなんか新鮮。

「ついてこれる人はついてきて!」と煽るMCも当時を完全再現。

そしてこのライブツアー最大の特徴であるメドレーへ。当時そのままのメドレーということもありライブで初めて聴けた楽曲が多い。テンポはいいんだけれど全部聴けないというのがメドレーの良いところであり悪いところでもあるか。「ワールドワイド・スーパーガール」の間奏部分であるワワーイ!、スパーガー!が聴けなかったのが残念。いつかフルで聴けることを願おう。ずっとライブで聴くことができていなかった1stシングル「センチメンタルピリオド」がやっと回収できた。やっぱりギラギラしていてかっこいい。

メドレーラストは定番B面曲「ガリレオのショーケース」。この曲の田淵はとても暴れていた。上手側のスピーカー?に突進し続けながら演奏し、ダッシュで戻ってきてCメロの「がっそー!!」をやるというこちらも見ていてニコニコするほどの暴れっぷりだった。

斎藤のソロから始まる「シュプレヒコール~世界が終わる前に~」。やっと聴けた!!!照明を動かさずスポットライトを当て続ける演出でこの曲を演奏したのは流石。アウトロのコーラスが素敵だった...。

そしてまたもやっと聴けた曲「cody beats」。冒頭の「その声が~」の部分でブチ上がった。これもアウトロのコラース素敵な曲だよなー。「サヨナラ!」が好きです。

ラストッ!からの「場違いハミングバード」。この曲で踊りまくるのは楽しい。左右の席が空いていることの恩恵を感じる。

 

本編終了からアンコールの時間がとても短かった。3分ぐらいだっただろうか。コロナ禍になってからアンコールがないという公演も何度か見たが、できるだけ公演時間を短くし、その場にいる時間を減らすという運営側の配慮だろう。

 

アンコール一発目は「アイラブニージュー」。またもやレア曲。なにかと「JET CO.」の曲は演奏される機会が少ないと思うので(この前のNormalツアーで一気に救済されたが)、こういう過去にスポットを当てたライブはありがたい。今夜のライブも最高!

「kid, I like quartet」で終幕。ファンになって初期から好きな曲だしやっぱり楽しい。多幸感あふれる終わり方だ。

 

終演後もVINTAGE ROCKの方がステージ上で挨拶をし規制退場の案内をしていた。こちらとしても開催してくれてありがとうの感謝もあるし、またVINTAGE ROCKが主催するライブに足を運びたくなる、そんな気持ちになる挨拶だった。

 

このツアーはリバイバルツアーということもあり懐かしいと感じる人が多いライブなのかもしれない。しかし自分にとってはそうではなかった。そこまでライブに足を運べていなかったということもあるがこのライブのセットリストの中で半分ぐらいは初めてライブで聴くことができた楽曲だった。このことやOPやメドレーなども含めて、とても新鮮なライブに思えた。

 

UNISON SQUARE GARDENは8月には「CIDER ROAD」ツアーの再現ライブツアーもやるし、秋には8thアルバム「Patrick Vegee」のツアーも開催予定だ。こんな状況であってもこのロックバンドは動き続けている。

人は強欲なもので、過去楽曲中心のライブを観ていると、最新モードのUNISON SQUARE GARDENも観たくなってくる。生存証明をしたライブと2つの振り返るライブを経た後に繰り出される最新モードの「Patrick Vegee」ツアーはどんなユニゾンを見せつけてくれるだろうか。今からワクワクしてしょうがない。