ろふろっく

すきな音楽のはなしをします

【ライブレポ】UNISON SQUARE GARDEN LIVE(in the)HOUSE

私の中で、UNISON SQUARE GARDENは最高のロックバンドだ。その最高っぷりは画面の向こうでも変わることはなかった。

 

UNISON SQUARE GARDENはリスナーからリクエストを募り、TOP30の中からセットリストを構成する。といういつもの彼らじゃやらないことを行った。Ba.田淵智也はブログで「いつも通りのライブ」と言っていたが、この状況でやれる「いつも通りの楽しいこと」の答えがこの配信ライブなのだろう。

ライブレポはまだ得意ではないので、印象に残った点についていくつか書いていく。

 

・久々に「きみのもとへ」

 

きみのもとへ。について書きたい。この曲は3rd Album「Populus Populus」に収録された曲であり、私もユニゾンを知った当時からよく聴いていた曲である。ポップな曲調と「できるなら心と体を 二つに分けてきみのもとへ」という歌詞に衝撃を受けた、とても大好きな曲である。初めて行ったツアー「プログラムcontinued」でこの曲をやってくれた時はとても嬉しかった。それからしばらくライブでなかなか披露されることはなかったと思う(フェスとかではちょいちょいやってるらしい)そして、ついに5年ぶりにこのライブで聴くことができた。ユニゾンはどの世代の曲も隔たりなく演奏するバンドではあるが、やはりアルバム曲やカップリング曲は歌われる回数が少なくなっていく。そんな曲がこのライブで歌われたということはファンがどれだけこの曲を待ちわびているかの証明となった。10周年の際にリリースされたベストアルバム「DUGOUT ACCIDENT」のキャッチコピーが「端役、伏兵、大暴れ。」であるようにこのライブは歌われてくることが少なかった曲(伏兵)が活躍するために行われたライブでもある気がする。

 

・オンラインで生まれた新たなユニゾンの表現

ライブでは恒例のDr.鈴木貴雄による迫真のドラムパート。今回は演奏中の鈴木にスタッフがヘルメットカメラを取り付け、カメラ視点が鈴木の目線になる場面が。こういうことは他のアーティストのライブでも見る機会は少ない。映像ライブという点を活かした良い演出だ。

カメラのフレームが引き、斎藤と田淵を画面に収めたところで最新曲「Phantom Joke」へ。アニメ「FGO」のOPテーマであることからユニゾンファン以外からの支持を受けたのか、投票では第一位になった曲だ。この曲から、いつものユニゾンと違う点に気づいた。ライブ演出に映像を使っている。彼らの背景に曲をイメージした波形の模様が描かれているのだ。ユニゾンは今までライブ演出に映像を使うことはなかった。それが武道館や野外などの大きな会場であってもだ。それなのに今回のオンラインライブで映像を採用した。美しい映像をバックに歌うユニゾンはそれは美しかった。いつもは音で楽しませてきたユニゾンだったが今回は映像でも楽しませる、そういう気概を感じた。

 

・弥生町ロンリープラネットに春が来る

本編が終了し、アンコールならぬ「おまけ」がはじまった。そこで演奏されたのは9月に発売する8thアルバム「Patrick Vegee」から「弥生町ロンリープラネット」(同じ形式のタイトルだと「東京シナリオ」が思い浮かぶ)この曲は「春が来る」という歌詞でアウトロもなく終わった。そして「春が来て僕らは」。ほんとにビビった。新曲で終わりかなと思っていたので油断していた。こういう粋なつなぎをするのも珍しい。この曲の歌詞にある「新しいページに絵の具を落とす」のようにユニゾンはまたページをめくったと感じた。アルバムはこの順序で収録するのだろうか。なんとなく違う気がする。アルバムではまた違った顔を見せてくれるような気がするのだ。彼らはひねくれているし。

いつものライブならキラーチューンで盛大に盛り上げてから大団円を迎えることがほとんどだった。でも今回のライブは「春が来てぼくらは」を歌い切り音源と同じように終了した。こういう終わり方もオンラインライブならではのユニゾンということだろうか。

 

ライブの最後に会場であるNHKホールが映し出された。事前に会場は明かされていなかったし、無観客ライブの会場に選ぶには大きすぎる会場だろう。もしかしたら、元々アルバムはもっと早い時期に出る予定だったらしいし、ツアーで回る会場だったのかもしれない。でも、人のいないNHKホールで鳴り響く斎藤宏介の声はとても良いものだった。

彼らは来月も「LIVE(in the)HOUSE 2」というタイトルで無観客ライブを行う。今回が人気投票1位から30位までのライブだったのに対し次のライブは31位から70位までの楽曲の中からセットリストを構成するという。これまた貴重なライブになること間違いない。その来月にはアルバムもリリースされるということもあり、UNISON SQUARE GARDENにワクワクし続ける日々は、終わりそうにない。

 

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