ろふろっく

すきな音楽のはなしをします

THE KEBABS 『椅子』@ヒューリックホール東京 2021/12/16

THE KEBABSのライブを観た。a flood of circle佐々木亮介、UNISON SQUARE GARDEN田淵智也を擁するTHE KEBABS、両者のバンドはよく見るのだがこのバンドを観るのははじめて。相当楽しげなライブをしているらしいが...。

会場はヒューリックホール東京。まさかの11階にあってびっくりした。この階でライブを観るなんて初めてだ。映画館を改装したホールらしく椅子がふかふか。

 

定刻になるとライブを主催しているVINTAGE ROCKの若林さんが登場。ライブの注意事項と爆裂ロックンロールショーが始まることを告げる。

ライブはまさかの新曲からスタート。「空腹を満たします」「優勝」(「昼食」らしい

https://natalie.mu/music/news/457939)などのフレーズが含まれていた。また変な曲を作ったなぁ。「ロバート・デ・ニーロ」「オーロラソース」を続けて演奏。アルバムの一曲目つなぎだった。ケバブスは一曲一曲が短いうえにどんどん演奏するから我々に落ち着かせる暇を与えない!

チェンソーだ!」の爆発力がすごい。音源のラップを完璧に、それ以上にカマす佐々木からの「ノコギリダンシン!」で会場は熱狂。音源の叫ぶ部分で田淵がちゃんと叫んでいて笑った。

「セカンド」アルバムの中でも異彩を放つディスコチューン「ジャンケンはグー」では会場がダンスフロアになっていた。会場が元々年季の入った映画館なだけになんだかこの曲と会場のマッチ感があった。ふっふ~の部分で両手あげるの楽しい。

「ホラー映画を観よう」佐々木亮介の声の良さが存分に出ていた。ささやくような「麻痺するために見るんじゃあなくて....」はゾクゾクした。この会場が有楽町マリオンにあることから歌詞を「マリオンの向こうさ」にしていたのが印象的だった。新宿の映画館をテーマにした曲だけどここも元映画館だしぴったり。演奏がヒートアップしていき最後のに決まったところで「メリージェーン知らない」が来るかと思ったが一度静寂に。この間観客誰一人音を発さなかった。統率がとれている....。田淵にスポットが当たり波のような口笛を吹く。佐々木が何度も口笛を吹かせていて笑った。田淵は口笛がうまくなってきたらしい。そして「サマバケ」へ。ゴキゲンなサマーチューンで会場を夏に飛ばす。本当にひたすら体を動かしたくなる!サビ前の「おぉ~~~」とかもノリノリで体を動かしちゃう!声出し解禁後の夏フェスなんかでこれやったらとんでもないことになるんじゃないか。

「ラビュラ」は田淵と佐々木のツインボーカルの良さが出ていた。音源で聴いた時からこれライブで聴いたらヤバイことになるんじゃないかと思ってはいたが想像以上だった。ラスサビの「それでかまわねぇ」という叫びの迫力よ。

MCでは「起こってほしくないこととかが急に来る」と語りかけている最中に「急に来る新曲とか」で「急に来る!」と新曲を披露。MCモードから一気にスピードアップしたので驚いた。曲中では急に曲が止まりu・i・uで韻を踏み続けフリースタイルラップのようなシーンも。

この後も勢いよく4曲演奏。「ラビュラ」で終盤かとおもっていたがまだまだやり尽くしてはいない。

ラストの「夢がいっぱい」ではケバブスが持つ幸せでハッピーなオーラがあふれ出ていた。めちゃくちゃ楽しくて面白いライブだった、そう思わせるような力がある。

本編が終了しアンコールかと思われたがヴィンテージロックの若林さんが再度登場し「これにてTHE KEBABS 椅子...」と終わりの挨拶をしてきたのでアンコールなしなのか~と思った。「第一部を終了します。」と告げた時はめちゃくちゃ笑ってしまった。こんだけ楽しいライブやったのにまだなにかやってくれるのかTHE KEBABSは。

ステージにメンバー用の椅子が用意され、ライブTシャツ姿のメンバーが登場し第二部開始。メンバーが飲み物片手に喋る姿は月刊THE KEBABSの空気感が現地で味わえたようで感動した。ラジオや動画で何度も聴いてきた田淵のあのべしゃりを生で聴いたのも初めてだったのでこれも感動した。

1時間半もライブしたけどまだまだやってない曲あるぞ、ってことでスタッフや観客からリクエストされた楽曲を演奏するとのこと。やってない楽曲リストが掲げられるステージは今まで見たことない。あと、序盤にやった「オーロラソース」が入ってたのはなんでなんだろう。ツアー途中で入れたのかな?

選ばれたのは「おかしのはなし」「まばゆい part2」「ガソリン」の3曲。メンバー(主に新井)は曲を思い出すためライブ音源に合わせて練習を始める。ライブ会場でライブ音源が流れる中、メンバーが練習をする、という他のバンドじゃありえない光景が見れてしまった。

上記3曲に加えた計6曲を披露。「ジャキジャキハート」を聴けたのがうれしかった。

 

THE KEBABSのライブは何も考えずに楽しめるし爆笑できる。それはメンバー自身が面白いことに本気で向き合い、楽しんでライブを行っているからだと思う。トーク形式の第2部も他のバンドがやったら「ん?」ってなる事もあるだろうが、このバンドなら笑って許してしまう。THE KEBABSは面白いことを本気でやり、企み、全力でこちらにぶつけてくる。そしてファンはただ全力で笑い、楽しむ。そうしてこのバンドのライブは成立しているのだと感じる。早速来年のツアーも決まってるTHE KEBABS、一体どんなことをしでかすのだろうか。

 

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