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すきな音楽のはなしをします

電音部 1st LIVE -Make Waves-@TACHIKAWA GARDEN STAGE 2021/10/31

2020年に始動した電子音楽コンテンツ「電音部」の1stライブがついに開催された。初期から豪華なコンポーザー陣による強烈なエレクトロミュージックでアニソン界に衝撃を与えた「電音部」であるが、客入れでのライブは今回が初。全く新しいコンテンツはどんなライブを見せてくれるのだろうか。

席は3階席のステージ側。だいぶ近く感じるがステージの一部が見えない、いわゆる「見切れ席」。席配置は一席開け。

開演前に本作品にキャストとして参加しているにじさんじVTuber、シスター・クレア、星川サラ、健屋花那による注意事項の前説。開演直前には再度登場しコールアンドレスポンスで会場を盛り上げた。ほかのライブでキャラクターによる前説はあったりもしたがVによる前説は初めてだ。これも「電音部」スタイルか。

 

港白金女学院

ライブのトップバッターを務めるのはアザブエリア・港白金女学院!ゴージャスな白いドレスで登場したのは白金煌役、小宮有紗。「MUSIC IS MAGIC」でミラーボールも回りだし立川をディスコに変える。このライブで聴きたい楽曲の一つだったため真っ先に回収できてびっくりした。秋奈扮する黒鉄たまの「いただきバベル」ではキュートで攻撃的なサウンドに会場が揺れる。ステージ上はパフォーマーだけとなりダンスショーケースへ突入。こんなのまでありなのか!ユニットでは「Love me harder」を披露。まるでアザブのようなゴージャスな空間を作り上げた。

 

帝音国際学院

いろんな意味で目玉のアクト、帝音。彼女たちはキャストがにじさんじVTuberということで一体どんな風にライブをするのか?今日の日までとても気になっていた。初手は大賀ルキア役、星川サラ。ん?どこにいるのか?一瞬迷ったが彼女らはバーチャル、スクリーンの中だ。こ、これがバーチャルライブ....!衣装はキャラクターに合わせた特別Ver。あくまでキャストと対等な存在であるように思える良い対応だと感じた。「Shining Lights」で登場した健屋花那は髪に赤メッシュを携えており、これはもう鳳凰火凛にしか見えなかった。

ダンスショーケースでは唯一男性メンバーを加えたダンスチームが登場。カジュアルファッションに身を包んだダンサーたちがアクロバティックに踊る姿に釘付けとなる。

ユニット曲「Let Me Know」ではモニターに3人が登場。スクリーンが縦なせいか3人がぎゅっと収まっちゃってるのがちょっと惜しかった。もっと大型スクリーンを取り入れればバーチャルライブの可能性は広がると思うので、これは今後に期待。

とはいえスクリーンの演出が消え黒背景とキャラクターだけになる瞬間は実在感はすごく、とても未来を感じるアクトだった。

 

神宮前参道學園

一風変わってキュートな世界観を表現するアザブエリア、神宮前参道學園。ダンサーの衣装も前の2組とはだいぶ毛色が違うファンシーな服装だ。桜乃美々兎は公演日が10/31、ハロウィンであることに因み「ハッピーハロウィン!」と告げ「電脳ロリポップ」へ。急にぶつけられる濃度100%の電波ソングに興奮を抑えられない。ユニット曲では電音部に衝撃を与えた「Hyper Bass」へ。爆音で放たれる「はいぱぁべぇす」に脳がとろける。

 

外神田文芸高校

トリは電音部の顔と言ってもいいだろう、アキバエリア、外神田文芸高校。ダンサーの衣装は制服モチーフ。ホーンサウンドが気持ちいいダンスチューン、東雲和音の「Mani Mani」からスタート。衣装は青を基調とした大きな帽子とマントを携えたようなシルエットでクール。日高零奈の「Favorite Days」では会場がオレンジに染まる。なんだかクライマックス感がすごい。もう少しで終わっちゃうんだ。ユニット曲は「pop enemy」を披露。ダンスショーケースこれのアレンジVer.だっただけに来るとは思わなかった。正直これが演奏されたのが一番嬉しかった。3人並んでの「ドーンだよ!」がかわいかった。

 

ライブもついにクライマックス。スクリーンが示す次のWAVEは「ALL AREA」。4エリアが連続で登場しユニット曲を披露していった。神宮前は完全新曲を披露。ひとことでは言い表せない不思議な曲だった。フィナーレは全員登場での「Hand Over」。「明日から元気出して 走れるようバトン渡すよ」というフレーズが胸に残る、良いエンディングだ。

最後の出演者挨拶にて先ほど披露された神宮前の完全新曲が「Distortion」という名称であることが明かされた。作曲はHyper Bassを手掛けたYunomiであることも発表され会場が大きく盛り上がる。作曲者の名前で盛り上がるライブってなかなかないぞ。

電音部の最初のライブは大盛況で幕を閉じた。ラストには電音部の新展開を告げるティザー映像をドロップ。映像に出たのは歌舞伎町...?カブキエリアでも登場するのだろうか。

新たなコンテンツの始まり、そんなライブだった。注目すべきは最後の全体挨拶に至るまでMCが一切なかったことだろう。ダンスショーケースも含めずっと音楽が鳴り続ける空間は、休む暇を与えずずっと踊らせてくれた。そんなライブはアニソンライブではもちろんその他のジャンルでも珍しい。まさしく電音部は立川ガーデンステージをクラブに書き換えたといっていい。まだまだ駆け出したばかりの電音部、これからどんな音楽世界を見せてくれるのだろうか。

 

 

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